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Reiko Kojima
自分は何が“好き”なのか。分かっているようで、実は分かっていなかったりする。
“好き”は、どんどん変わっていってもいい。
でも、今何を“好き”なのかは分かっているといい。
自分の“好き”をわかっている人たちが、ジョンブルを着こなしてくれる連載。
第1回は、ファッションディレクターの小島令子さん。
――どんな時間が、“好き”ですか?
基本的には、1人でぼーっとする時間が好き。
1人の時間がないと無理!というわけではないのですが、朝子どもたちを送った後、たまたま予定がない日は、1人でモーニングを食べに出かけたりします。
家でも珈琲は飲めますが、今日は天気がいいし、あそこの珈琲でも飲みに行こうかなと思ったり、珈琲が外出のキッカケになることも。
二子玉川のスタバまで川沿いを歩いたり、駒沢公園を珈琲片手に散歩したり。
今は引っ越してしまいましたが、子どもが小さい頃によく過ごしていた公園なのでやはりすごく馴染みがあるんです。
そういう1人で気ままに過ごす時間がとても好きです。
けれど、1人じゃない感じがいいなぁと感じる日もあり、そういう時は小春(愛犬)を連れて出かけます。
旅先でも、その土地の美味しい珈琲屋さんを調べることは多いです。
珈琲屋さんは今やどこにでもありますし、その土地の文化を知る手段の1つとしても面白い。
「孤独のグルメ」を見た時、彼の心の声にすごくシンパシーを感じたんです(笑)
「常連さんはそれを頼むのか!」「意外とお店の中新しいなぁ」とか色々考えていて。多分人間や場所の観察が好きなんだと思います。
だからこそ、1人で過ごしていて全然大丈夫なのかもしれません。
――“好き”な色は何ですか?
この間、子どもに全く同じ質問を聞かれて、ちょうど考えてみたばかりです。
真剣に考えていい?と時間をもらってよく考えました。
青、緑、黄色…どの色も好きなので、どれが1番と気かれるとすごく難しくて。
考えた結果、強いて言うなら、ゴールドだなと思いました。
ゴールドって色なのかなぁと子どもはちょっと不満げでしたけど(笑)
靴、バッグ、小物などゴールドに惹かれます。
ジュエリーはシルバーも大好きなので、ジュエリーのゴールドが好きっていうわけでもないんですよね。
ゴールドの服ってあまりないので、気に入るものを見つけたら買ってしまいます。
グレー×ゴールド、ベージュ×ゴールド、ネイビー×ゴールドなど、ずっと見ていたい色の組み合わせがあり、それにゴールドが多いんです。
基本的に、今日のパンツもそうですが、艶感のあるものが好きなので、ゴールドやシルバーは特別。
――このミリタリーコートは、どこが“好き”でしたか?
ミリタリーはもちろんずっと好きで、基本的にはヴィンテージのミリタリーを愛用しています。
けれど、ヴィンテージミリタリーにあまりブラックはないので、この色を選びました。
黒のミリタリーなので、グレーを中心にモノトーングラデーションに。
ニット、コットン、艶のあるパンツ、ヘビ型押し黒ブーツ、と異素材を重ねました。
タフな印象のコートなので、あえてチョーカータイプのパールを合わせてハズしています。
また、ナイロンとシンサレートという今の最新素材が使われていることもとても魅力的。
ミリタリーアイテムを新品で買うときは、機能や本物にない色などに特化して買うことが多いんです。ヴィンテージにはない機能が欲しい。
ヴィンテージライナーは持っていますが、空気がこもる時も。このライナーはシンサレート素材を使用しているので、軽くて暖かく、通気性もいい上に洗えるんですよね。
それに加え、アウターにはコットンだけでなくナイロンが入っているので、雨の日にもさっと羽織れそう。
私はSSサイズを選びました。
身長のバランス的に、着丈がこの長さが良かったです。
華奢見えするデザインだと感じました。
――自分の“好き”はいつ頃から確立しましたか?
20代は基本的に模索していたと思います。
古着屋の女の子ってこういう感じだよねという、世間一般的に定着したイメージから遠ざかるという意識をしていました。
イメージは裏切りたい、枠には入りたくない、そういう思いは昔から強く、それを意識して実行しているうちに自分らしさや何が好きなのかという軸が出来ていった気がしています。
ヴィンテージが大好きだからこそ、「ヴィンテージに対抗できる、真逆にあるものとは?」と考えた時、美しくあるために作られたものだと思い、その2つをあえて組み合わせてみていました。
古着はファッションのために生まれたものではなく、用途があって生まれた機能美。
それに対して、対局にあるのは、用途は関係なくシンプルにただただ美しいもの。
私の中の本物の基準として、用途があるということは重要で、そこに惹かれるんです。
だからヴィンテージが今も昔もずっと好き。用途に対してのデザインをリスペクトしているので、それに組み合わせるものは納得したものを選びたい。
例えば、分かりやすい組み合わせだと、ヴィンテージデニムにバーキンなど。値段の高い安いではなく、本当に自分の中の基準で対等だと思うかどうかが重要なんです。
もちろん子どもと遊ぶときは、全身アウトドアブランドだったりカジュアルな日もあります。力を抜きたい日はとことん抜く。
こだわりすぎないということが、こだわりになってきている感じはあります。
なんでもいいわけではもちろん無く、好きなものは確固としてあるけれど、歳を重ねてだいぶ肩の力が抜けてきたと感じています。
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小島令子
REIKO KOJIMA
フリーランスでアパレル企業のコンサルティング/ディレクションなどを手掛ける。
instagram : @reikokojima
Photo : ImaTatsu
Edit & interview : Maki Kakimoto (Lita)