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LIKE VOL.11 Asuka Ando
自分は何が“好き”なのか。分かっているようで、実は分かっていなかったりする。
“好き”は、どんどん変わっていってもいい。
でも、今何を“好き”なのかは分かっているといい。
自分の“好き”をわかっている人たちが、ジョンブルを着こなしてくれる連載。
第11回は、ミュージシャンのasuka ando さん。

――どんな時間が、“好き”ですか?
音楽にまつわる時間がやはり“好き”な時間です。こちらのレコード店「REGGAE SHOP NAT」は大好きなお店。ここでレコードを探したり、店主のKAZUくんと話したりする時間がとても楽しい時間です。
レゲエは本当に偏りが命みたいなかっこいい人が多いのですが、彼は特に何でも知っていてとっても造詣が深い。約20年前にこのお店を引き継いだのですが、彼らしいとても素敵で面白いお店です。彼はDJ、セレクターなどでも活動しているので、最初の出会いはたまに歌わせてもらっていたバーでDJをしていた時。そこのバーでは“かけ売りナイト”といった、レコードをかけながらその曲についてちょっとしたうんちく
や、エピソードを語り、もし欲しいお客さんがいたらそのまま買うことができるというイベントがあったのですが、彼のかける曲やその知識が本当にすごく興味深くて。
もう一つ好きな時間があり、それは準備の時間です。


――準備の時間が好きって面白い! それはどういう時間で何が好きなのでしょうか?
ツアーが日常なので、その準備をしている時間のことです。ふと思い出したのですが、ちびまる子ちゃんに「まるちゃんは遠足の準備が好きの巻」という回があって、遠足の前日に姉妹でお菓子を買いに行く悲喜こもごも話なのですが、読んでいてすごく分かるなぁと思っていました(笑)
「今回はあそこに行くっていうことはあの人に会うだろうからあれを持って行こう」「あの場所ならこれを聴いて欲しいな」みたいに想像したり、思いを馳せて準備をしている時間は特別。ライブのセットリストを考えたり、バンドの場合はリハーサルをしたり、準備の時間って意外と長いものなのですが、それがまた楽しいなぁと思っています。


――生業である音楽を“好き”になったキッカケを教えてください。
幼少の頃から母親が洋楽を好きだったんです。マドンナ、マイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダーなど、アメリカのヒットソングがずっと家でかかっていたので、私も夢中に。
中高くらいからR&BやHIP HOPがすごく好きになり、ストリートダンスも始めたんです。もともとクラシックバレエをやっていたのですが、思春期もあってかワイルドな方向にいきたくなったりもして(笑) それでバレエをやめて、ストリートダンスを始めてますますR&BやHIP HOPなどのクラブミュージックに傾倒していきました。
それと同時に、中高はミュージカル部に入部し、大学も演劇の専攻でした。ミュージカル女優に憧れていた時期もあったのですが、大好きな音楽との接点が自分の中で見出せず、やっぱりクラブミュージックの方がかっこいいなぁと思いました。そしてセリフを覚えるのが難しく…、自分の歌詞なら大丈夫だろうと歌い出した感じです。最近はその自作の歌詞すら危うい場合もありますが。


――実際に歌い出したのはいつ頃ですか?
高校生の頃から歌詞は書き始めていて、歌い出したのは大学入る前後です。高校生はクラブに行けなかったのもあり、どうやって始めたらいいのか分からなかったのですが、大学に進み、クラブで遊んでいるうちにだんだんDJやトラックメーカーなどの友達がちらほらできてきて、一緒に何か作ろうという話になり、歌い出しました。自然な流れだったと思います。
またレゲエの7インチレコードのB面は例外もありますが、ほとんどが「VERSION」と言ってインスト(カラオケ)が入っているので、それに自作の歌を乗せていました。レゲエの面白いところの一つに「同じVERSIONでいろんなアーティストがそれぞれ違う歌を歌う」という文化があり、それを真似するように、自分でも歌ってみて、いま思うと訓練のようなことを繰り返していたことで、曲を作って歌えるようになっていったのだと思います。

――今日着用いただいたアイテムはどこが“好き”でしたか?
デニムは好きなのですが、古着が多め。きれいめなインディゴブルーがとても新鮮でした。ここ数年はセットアップも好きなので、上下セットにしてツナギみたいに着てみたら今の気分にぴったり。トップスはハーフジップなので色々な着こなしが楽しめそうだと思いました。前に何かの占いで牡牛座はデコルテを出した方がいいと書いてあったので、それで何となくそういうアイテムを選びがちだったりします(笑) デニムセットなので、シルバーの個性があるベルトをアクセントに。とあるジャマイカ盤レコードのジャケット柄ライクなスカーフはコントラストが強めではありますが、デニムセットに合わせるといいバランスで馴染みますし、好きな柄が映えていて嬉しい。


――好きなことをどんな思いでずっと続けてきましたか? そしてこれからは?
大学卒業というタイミングで、まぁどうにかなるだろうみたいな気持ちがあったので就職活動はせず、アルバイトをしていたんです。でもどうにかなるかと思っていた音楽が、結構どうにもならないんだということに気付き、どうしたらいいかと模索している時に3.11が起きたんです。それによって、いつ何が起こるか分からないし、待っているだけじゃダメなんだと本気で思い、曲を作ってバンドメンバーを集めて、自分でEPを作ろうと動き出しました。
もちろん動き出しても、そんなに打っても響かない感じではあったのですが、本当にじわじわと少しずつお声がかかるようになりました。わたしのように主に Lovers Rockを歌うレゲエシンガーがあまり多くなかったこともありますが、こだわりが強いレゲエ好きのおじさんたちが私の音楽を気づいて聴いてくれる機会が増え、ちょっとずつLIVEに呼んでもらえるようになってきました。忙しくなるまで時間がかかったと思います。私はオーディションが怖いんです。ジャッジされるということが本当に嫌で。何しろ打たれ弱いですし(笑) だからオーディションで合格などという飛び級みたいなことはできないので、もう地道にやり続けるという道しかなかった。
それに、私が音楽や制作に向いているのかもと思ったのは、歌詞を書き始めた10代の頃、今のこの恋愛を早く終えて失恋したいなと思ってしまったときです。「芸の肥やし」という言葉もありますが、何かそういう心が動くような辛いことがあると何か生み出せるような気がして。さすがにそれは若い頃の思い込みだったとは思うのですが、今でも何か自分の思い通りじゃないことが起きることがスパイスにはなっているなぁと思います。ただじゃ起きないぞという感じで。
去年まではもうすごいペースでツアーに行っていたのですが、今年はちょっとペースダウンして制作時間を増やしています。ずっと旅の続きのような日々を過ごしていたので一旦立ち止まって。そうすると改めてリリックに落とし込む作業が好きだったことを思い出したり、ライブの臨場感をもっと大切にしたい、など...ブラッシュアップが楽しい毎日です。


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asuka ando
メロウすぎるにもほどがあるLovers Rock Reggae Singer。これまでのリリースはオリジナル・ソロ・アルバム3枚『mellowmoood』(2015年)『あまいひとくち』(2018年)『DOUBLE HAPPINESS』(2024年)。その他、さまざまなアーティストからラヴ・コールを受け客演の7インチなどなど。いろんな別名義も探してね。常にどこかへツアー中。@mellowmoood
Photo :Yuri Iwatsuki
Styling : Angie La La Vintage @angielala_vintage
Direction & Interview ; Maki Kakimoto (Lita)@makikakimoto
Special Thanks
REGGAE SHOP NAT
7-9-5, Nishishinjuku , Shinjuku-ku, Tokyo
13:00~22:00
TEL : 03-5337-7558
https://www.rs-nat.ne.jp
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